生放送「自死への道をつき進むニッポン」

次回の放送は令和6年7月28日 10:00からです

番組の趣旨

現在、多くの国で「移民」についての議論がなされていますが、日本でも少子高齢化に伴う労働人口の減少を補うため、1990年以降、外国人労働者の受け入れが段階的に行なわれて来ました。しかし、この外国人材は「移民ではない」と言う見解から、未だに明確な移民政策は確立していません。そんな中、2018年に安倍内閣の下で、単純労働分野での外国人の受け入れを行なう法律が制定されました。安倍内閣は「日本は移民政策をとらない」というスタンスを表明しましたが、外国人受け入れに対する対策を行なわないまま門扉を開いてしまいました。

「移民」とは、国連の経済社会理事会人口部の定義では、「出生あるいは市民権のある母国を離れて1年以上海外に移住している人」を指します。また、国際移住機関(IMO)によれば、「国内または国境を越えて、一時的または永続的に、さまざまな目的で通常の居住地から離れる人」とされています。これには期間が明記されていませんが、基本的には1年を越えて滞在する留学生なども立派な「移民」となります。おそらく、安倍内閣当時の自民党は、「公的・組織的な移民誘致の優遇政策はとらない」という意味だったのでしょう。

実際に入管が「出入国管理局」から「出入国在留管理庁」への格上げに伴う法改正では、「特定技能1号・2号」の滞在資格を2019年4月に新設しましたが、ハードルの高さに業界団体から苦情が殺到し、安倍・菅内閣はこれを抑え、家族滞在が認められる2号に関しては、2023年までコロナ禍により、試験そのものを実施していなかった為に、該当者はありませんでした。2023年3月末の段階で11人しかなく、すべて、建築分野のみ認定された程度でした。

ところが、岸田内閣になって一変します。昨年6月、外国人労働者の大幅拡大を決め、事実上の日本の「移民国家化」への道筋をつけてしまったのです。岸田首相は「移民定着の促進による労働力確保」という言葉こそ使いませんが、実質は移民受け入れ促進政策であり、「国益」より「地球益」を優先するかのようなグローバリストが、その本質です。

現在の日本社会には、不思議な思い込みがあるようです。それは「グローバル化は時代の必然的流れだ」というものです。こうした見方を持つ政治家や財界人、文化人は非常に多いのです。EUのような地域共同体、あるいは国連のような「世界政府」といったより大きな政治体に統合されていくのが時代の不可避な流れだというような歴史法則主義的な流れです。本来、「グローバル化」と「国際化」は大きく異なる概念なのですが、現在の多くの日本人は、「グローバル化」と「国際化」の区別が曖昧なのです。

この区別を明確にしなければ、現在のグローバル化路線も批判出来ませんし、移民受け入れの是非も建設的に議論出来ないと考えています。

なぜ、保守派を含め、現在の日本人は、移民国家化に突き進んでしまうのでしょうか。これには多様な要因が考えられますが、今回のシリーズでは、少子化、外国人の土地買収問題、SDGs問題、国際化時代における新しい「防犯・防災」、台湾有事の際の在日中国人の処遇、帰国避難民・上陸避難民を含む難民認定制度、移民流入による社会分断・治安悪化など、移民拡大による様々な課題に焦点を当てながら、現在私たちが問われている課題について、視聴者の皆様と考えて参りたいと思います。

もっと見る

閉じる

現在のシリーズのアーカイブ

お問い合わせお問合せ