韓国の悪意を見据えよ
第3回 9月1日放送
韓国の悪意を見据えよ
出演者
香月洋一/川口武壽・行實正明・村上かおり/中実柚菜/小菅亥三郎
- 出演者はコメンテーター/ゲスト/パーソナリティ/アシスタントの順で表記した。
- 初回出演者は太字とした。
- 敬称略
リスナーの声
[スタジオ日本・日曜討論御中]
[筑後の湘南ボーイより]
拝啓、香月先生、川口先生。放送毎回楽しみに拝聴しております。どうか、今後も続けてください。
さて、国連事務総長・潘基文氏が、何やら日本国政府の歴史認識云々を韓国国内で発言し、日本が憲法を改正し、集団的自衛権行使を容認するのは右傾向であると批判されたとか?私は国連事務総長・潘氏のおまぬけぶりに耳を疑いました。
まず、どなたも言われているかと思いますが、彼の発言は国連憲章第100条に言う中立性を阻害するものでしょう。次に彼は国連事務総長として致命的な誤解をしています。これは日本のマスコミや公法学者(特に憲法学者)も同様です。
まず、「自衛権」は国際慣習法として確立しており、国連は国家の上に存在する超国家ではありません。国際司法裁判所は1986年6月27日付ニカラグア判決でいかなる国も集団的武力行使の権利を保有していると判示しております。そして国連憲章第51条は「個別または集団的自衛の固有の権利」を認めています。ここに言う「固有」とは主権国家がそれ自体で本質上当然に有しているはずの権利です。主権国家の「自衛権」はいかなる理由があっても、外部からは奪われず、その国家自身も勝手に放棄できない基本的な権利なのです。よって、たとえ憲法で戦争を放棄し交戦権を否認したとしても、国際社会はそれを認めるわけがないのです。主権国家が征服されて消滅すれば別ですが。
そして「集団的自衛権」は国連憲章で初めて登場したような概念のように言われる方がおりますが、中身は国連憲章以前の「軍事同盟」という概念で説明されていたものです。「軍事同盟」を定義すると、友好国間で一方の同盟国が戦争の状態に陥った時、他方の同盟国が条約上の義務により参戦するという合意です。しかも、それ以外に条約上の義務がなくても友好国の安全が危殆に瀕して自国にも間接の脅威にさらされる場合、その国が自発的に参戦することも珍しくなかったのです。これは合法的な戦争行為とみなされていました。
だが、同じ国連憲章第52条で集団的自衛権は「地域的取極又は地域的機関」を根拠として変容しているのです。52条1は「この憲章のいかなる規定も、国際平和及び安全の維持に関する事項で地域的行動に適当なものを処理するため地域的取極又は地域的機関が存在することを妨げるものではない。但、この取極又は機関又はその行動が国際連合の目的及び原則と一致することを条件とする」とあります。
国際連盟の時はグローバルな世界機関の建前を堅持するため、加盟国が勝手に手を組むのは理念に反するとして決して容認しなかったのに対し、国際連合はそうではありません。国連憲章の「集団的自衛権」の規定と「地域的取極又は地域的機関」の規定が統合されたら、それは「軍事同盟」ということになります。今の言葉でいえばこれこそが「地域的集団安全保障制度」です。これの具体例が「北大西洋条約機構(NATO)」であり、ソ連時代にありました「ワルシャワ条約機構」です。
アジアはこうした多数国間条約ではなく「日米安全保障条約」「米韓相互防衛条約」「米比相互防衛条約」「米・ニュージーランド・オーストラリア間安全保障条約~ANZUS」などの二国間・三国間条約が主流です。そして、この集団的自衛権の理念を主張したのは戦勝4大国ではなくラテンアメリカ諸国でした。1945年、アメリカの参加を得て、メキシコ市のチャプルテペック城で戦争と平和の問題に関する全米会議が開かれ、地域的機関の創設と集団的相互防衛機構の創設を原則的に合意しました。これが「チャプルテペック議定書」です。これが1947年のリオ条約と1948年の米州機構の創設に結びつきます。サンフランシスコの動きはアラブ連邦を持っているアラブ諸国やソ連、ドイツを敵視するフランスの賛同を得ることになります。なぜならば、このままの状況でいけば加盟国による「自衛権」の行使を信用できない安全保障理事会の完全な統制下においていいのかという問題が残るからです。結局、サンフランシスコの会議では国連憲章第51条自衛権の中で地域的レベルの集団自衛権の措置を認め、第52条地域的取極では国際紛争への平和的解決には地域レベルの行動に優先権を認めるというラインを引くことになるのです。のちのコロンビア大統領カルゴ氏が国連憲章第51条については熱心にリーダーシップをとります。これが1947年の米州相互援助条約の成立に結びついていきます。「地域的集団安全保障」は加盟国が各自の「集団的自衛権の行使」を別途の特別条約を締結して国際法上の義務とするメカニズムを構築したといわれています。これを日米安全保障条約で見ますと、まずその前文には「両国が国際連合憲章に定める個別的または集団的自衛の固有の権利を有していることを確認し~」とあります。そして条約の5条では「各締約国は、日本国の施政の下における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和および安全を危うくするものであることを認め自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する。」とされています。つまり、5条の地理的な範囲は日本の主権下にある地域だけである。次にその地理的範囲内であれば、日米いずれか一方に外部からの武力攻撃があれば他方は集団的自衛権の行使を「義務」づけられているということです。ただしこれには憲法上の制約で適用除外されることがありうる。
私が何を申し上げたいかというと、集団的自衛権行使は日米安全保障条約の締結によって国際法上の権利から「義務」に転換されていることをなぜ、日本のマスコミも公法学者も言わないでいるのかということなのです。潘基文国連事務総長の韓国内でのかずかずの発言をうかがっていると国連憲章もへったくれもありません。上記のような基本的な理解が彼には欠けているように思えてなりません。私もえらそうなことは申せませんが、香月先生の討論放送や産經応援さんのブログなどを拝聴・拝読していれば自ずとこういうところ~国際法的な通説にたどり着きます。反日・ノムヒョン大統領の時の外務大臣とはいえ、国際法はお詳しいとおもっておりました。ところが伝え聞くご発言内容はとても文明国の外務大臣経験者のそれではありません。集団的自衛権行使の是非を日本国内で議論することがなんで右傾向なのでしょうかね。韓国の議員・閣僚・国際機関の方々の妄言はかず限りがないようですが今回の潘氏の主張はとても論評に値するものではありません。解任動議を提出すべきではないでしょうか?シリア情勢で紛糾しているときに韓国内でなにを遊んでいるんだか?香月先生、ほかにもスシローとかいう回転寿司は韓国産の水産加工品を大量に輸入しているそうですが食品衛生上疑義が出ています。どうにかならないものでしょうか?
敬具
No.428