ロシア革命100年を問う
日本再発見・本篇第106弾 全6回 平成28年7月31日~9月4日放送
番組の趣旨
皆さん、来年は、何の年か知っていますか?平成29年は、西暦では2017年ですが、100年前におこった大事件を思い出して下さい。
大正6年、1917年、時は欧州大戦の真直中で、当時の常識を覆す大事件が起こりました。それまでは、イメージの世界でしか語られなかった「平等社会」、いわゆる共産主義の社会が、現実に権力実体(国家)として登場したのです。これが後年いわれる「ロシア革命」です。
当時のインテリと称される人達は、この衝撃を幸いなこととして好意的に受け止めました。何よりも米国がことのほか、いわゆる「革命」の成就に情熱をかけました。これはジョン・リードの著作にもあるように熱狂的とすら言えるものでした。
しかし、世界の大部分が好感をもって受け止めた訳ではありません。そもそも、こうした暴力革命という手段で政権を奪取し、反対する人を国内外問わず抹殺していくような政府が近世の社会に一体あったでしょうか? 未開の地ならともかく、近代ヨーロッパの一角にかくなる方法で建国された国ほど、多くの人に不安を与えたものはありませんでした。
歴史が証明しているように、いわゆる「労働者の祖国」は、僅か79年で自壊しました。これを冷戦を戦った自由主義陣営の勝利と見なす人もいますが、実際は、反「民主」、反「自由」、反「人権」をうたい文句にした独裁国家、人工国家が辿った避けがたい末路だったのです。
建国以来2676年の悠久の歴史を持つわが国は、太古の昔から、民主、自由、人権が公にされ、和を以て貴しとなす国民国家です。こうして考えると、人工的な理屈と虚偽と詐術にまみれたプロパガンダによってしか求心力を持ちえない擬制国家ほど、わが国の歴史、伝統、文化とほど遠いものはありません。
来年のロシア革命100年を祝う人は皆無に近いと思います。歴史はここに正気を取り戻したのです。しかし、再び変種がうぶ声をあげないように、ロシア革命に続く諸般の事例の矛盾点をあげながら、このシリーズを放送させていただきます。
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