第二の南京事件、慰安婦問題になりかねない~「正定事件」の検証
日本再発見・本篇第129弾 全3回 平成31年3月17日~3月31日放送
番組の趣旨
200人もの婦女子を暴虐な兵隊たちから救わんとして命を懸けた聖職者たちがいた――映画の宣伝のようなフレーズですが、このような理由でカトリック教会の「福者」という称号を殉教者たちに与えようとする動きがあります。そして「暴虐な兵隊たち」というのは日本軍であり、慰安婦狩りを止めさせるためにオランダ人司教フランス・シュラーフェンら9人のヨーロッパ人が身代わりとなって中国人婦女子を救ったという話が、オランダ、中国、台湾、香港等事件と関わりがある地域で広まりつつあります。
今から約80年前、昭和12年(1937年)に中国の河北省正定という町で起きたカトリックの外国人宣教師らの拉致殺害事件、現在「正定事件」として我が国で言われている事件のことです。支那事変中の出来事であり、また事件発生が日本軍による正定攻略直後に起きたことから、当時未解決に終わった犯罪でした。肝心なことですが日本軍の犯行を決定づける根拠はなく、女性目的を動機として阻止された腹いせに非係争国の民間人を虐殺したとする根拠も確かなものが見つかっていません。
しかしながらバチカンでの列福審査は現在進行形で行われており、中国共産党も現地教会を迫害しながら同時に抗日戦におけるキリスト教会の貢献として研究を進めて、オランダ側との交流を深めつつあります。当時の国民政府の宣伝や中国人の噂やいい加減な証言などに基づく他の類似案件も同様に日本軍の犯行として研究され始めてもいます。
この手の問題は今始まったものではなく、支那事変当時からあった宣伝や誤解、デマ等が記録に残り、当時の状況をよく吟味せずに安易に歴史事実を確定させているから現代のプロパガンダや補償に垂涎する者に利用されるのです。
今回のシリーズでは、「正定事件」を取り上げ、史料に基づいた検証により事実に迫るとともに、現代に生きる者としてこのような歴史問題にどう立ち向かうべきかを議論して参ります。
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