甦れ!世界屈指の日本文明、神国日本~日本文明は世界七大文明の一つ
日本再発見・本篇第156弾 全6回 令和4年10月16日~11月20日放送
番組の趣旨
「文化」・「文明」という言葉がありますが、一般に文化は人間が本来の理想を実現していく活動の過程での、特に精神的所産や伝統を言います。一方、文明とは人的創造物や物質的生活を発達させた状態を言います。
世界の文明を大別すると七つに分けられます。西洋キリスト教文明、ロシア正教文明、イスラム文明、ヒンズー文明、中華文明、中南米ラテン・アメリカ文明、そして日本文明です。これらの文明は複数の国家で一つの文明圏を構成していますが、日本文明だけは、日本だけの一つの国家で一つの文明圏を構成しています。
つまり、日本文明は独自の文明なのです。20世紀を代表する世界的文明学者のサミュエル・ハンチントンは、「21世紀はこれらのせめぎ合いによって世界が動かされていく」と、言っています。
民族の価値観は「自然観」「死生観」「歴史観」の3つの柱によって支えられていますが、文明も同じくこの3つの柱によって成り立っているのではないかと思います。
日本人の自然観は、は「もったいない」という言葉で象徴されています。自然界の全ては、命あるものないもの一切は「物体ではない」、つまり神仏の命の表れであり、大自然が神そのものであるとみてきたその価値観です。大自然は神の命そのものですから、当然人より上位にあるということになります。人は自然に生かされている存在ということです。しかし、他の文明の価値観ではそうではありません。
また、日本人の「死生観」は「傍楽文化」の価値観に表れています。「はたらく」ことは「傍」つまり周りの人々を「楽」に、幸せにする行為としてきた価値観のことです。自分のために生きる人生ではなく他者のために、世の為、人の為に生きる人生こそが生き甲斐であり、かつ美しく尊いものとしてきた価値観です。他の文明圏の徹底した個人主義の価値観とは、むしろその対極にあると言ってもよいでしょう。
これらの日本文明の特徴は、戦後否定され続けてきましたから、日本人の心から消えているかと思われていましたが、あの東日本大震災の時、被災者の皆さんが被災地で示された振る舞いの中に、日本文明の特徴である「自然観」と「死生観」が息づいており、それが甦ったという事実が、世界中の人々を感動させました。
しかし、もう一つの「歴史観」は、戦後の日本人を自縛してきた「自虐史観」によって、歪なままになっていることが、日本文明の最大の危機と言わなければなりません。「歴史観」は国家観といってもよいと思います。建国の経緯や精神、日本の神話を知らず、国家を見る座標軸を持たないまま、多くの人が個人主義や拝金主義に傾いています。
このような日本的な価値観を、日本精神と言ったり日本の心と言ったりします。日本文明というのは「精神的」なところがその真髄なのです。多くの識者は、この日本文明の精神性は、「神道」と「仏教」が基礎になっていると分析しています。特に神道は日本独自の精神性と感性を育み、日本文明の中核をなしてきましたが、その元となったのが『古事記』や『日本書紀』、『万葉集』等なのです。
日本はきっと、強い輝きを放っていたに違いありません。将来の日本が輝くこと、それが私たちの夢です。より輝きを増した日本を次の世代に繋いでいくことが、私たちの務めだと考えています。その為には、先ず日本を学ぶことです。
そこで、今回は『甦れ!世界屈指の日本文明、神国日本』をテーマに、先人たちが薄氷を踏む思いで必死に繋ぎ、2000年以上も存続させてきた「日本人の精神」を視聴者の皆様と共に学んでいきたいと思います。
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