祖國のために散った台湾同胞
特別篇 第43弾 令和6年12月22日放送
番組の趣旨
我々日本人にとっては、昭和20年8月15日に大東亜戦争は終わりました。しかし、台湾の方々にとっては、その後も戦争が続いていたことを教えて下さったのは、「台湾無名戦士紀念公園」の建設にご尽力された、故・許昭栄氏でした。
大東亜戦争では、20万人以上の台湾人の方が、日本の為に、祖国の為に、帝國陸海軍特別志願兵として。高砂義勇隊員として、また、海軍巡査隊、海軍少年工員、軍医、看護婦、さらに軍属として、この大東亜戦争に従軍され、3万3千余の方々が散華されました。
我が国では、国の為に、その命を捧げた方々は神となり、霊魂(みたま)となってその子孫を温かく見守るとの信仰があります。それ故に、戦死者は、靖国神社に神として祀られます。大東亜戦争で散華され、調査の済んだ台湾の2万8千柱の方々も靖国神社に神として、祀られています。
しかし、大東亜戦争に日本軍人・軍属として、日本の国策の遂行に協力して下さった方々が生還復員した後、生活の為、また詐網(さもう)されて、また脅迫されて、中華民國国軍に加わり、大陸での国共内戦に投入され、多くの方が戦死されました。更には、この国共内戦で、戦死を免れた台湾兵の方々は、共産軍の捕虜となり、今度は朝鮮戦争に投入され、多くが戦死されました。このことを、果たして日本人のどれだけの方が知っているのでしょうか。
この朝鮮戦争から生還を果たした台湾老兵の方々も、今度は、大陸の文化大革命と呼ばれる権力闘争の狂気の中で、旧日本軍人、また旧蒋介石軍の軍人として、迫害され、多くの人が虐殺されてしまいました。更に、この文化大革命の迫害を生き延び、大陸に暮らす台湾老兵も、いかなる理由からか、台湾への帰国は許されず、故郷を思いながら大陸の各地で、その生涯を終えつつあるのです。
亡くなられた老兵の方々の無念、そして残された遺族の皆様の現在までの苦しみを思えば、いかなる言葉もむなしく感じます。
謹んで、大東亜戦争、国共内戦、朝鮮戦争、そして、文化大革命の狂気の犠牲となって亡くなられた台湾老兵の皆様、そして、無名戦士の皆様に哀悼の意を表します。
私たちは平成11年以来、台湾各地で、3万3千余柱の御霊の安らかならんことをお祈りして参りました。 しかし、台湾の戦友会の皆様も高齢となり、一人、また一人と鬼籍に入られていますが、今後も、この顕彰事業を風化させることなく、更に充実・拡大し、若い世代に継承していきます。それは、この道こそが、「日本人として散華された台湾人同胞の御英霊の皆様」にお応えする私たちの務めであるからです。
今年、私たちの25年に亙る「台湾慰霊訪問団」の活動は、全国紙上でも大きく取り上げられました。また私たちの活動は、台湾各地の市政府を始め、公的機関、民間に及ぶまで広く受け入れられ、認知され、訪問の先々で温かく迎えられます。
今年も去る11月23日より26日まで「第26次台湾慰霊訪問の旅」を実施し、台湾各地での慰霊祭実施・英霊顕彰、並びに台湾の皆様との家族・兄弟交流を行なって参りました。
そこで今回は、年末年始特別企画として、『海の彼方のニッポンを訪ねて~祖国のために散った台湾同胞』と題して、「第26次台湾慰霊訪問の旅」の報告を中心に、「戦後80年」を迎え、「台湾有事」が懸念される現在、私たちは「日本人として、台湾とどう向き合うべきなのか」を視聴者の皆様と共に考えて参りたいと思います。
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