神話はなぜ消されたのか
日本再発見・本篇第73弾 全6回 平成24年8月19日~9月23日放送
番組の趣旨
小説をもたない民族はあっても神話を持たない民族はないと言われています。それほど神話とは民族にとって不可欠、原初的なものなのです。日本以外では、民族と神話は切っても切れない関係と認識されています。
しかし、戦後の日本ではその神話が消されている現実があります。
戦前では、国民誰もが知っていた神話である、国(くに)生(う)み、イザナギ命(みこと)・イザナミ命、天照(あまてらす)大御神(おおみかみ)とスサノオ命、大国主命(おおくにぬしみこと)、因幡(いなば)の白兎、八俣(やまた)の大蛇(おろち)、天孫(てんそん)降臨(こうりん)、海幸(うみさち)・山幸(やまさち)、神武(じんむ)東征(とうせい)などなどは、特に関心のある人は別にして、聞かれても答えられないのが実情です。大学生に質問すると、ギリシャ神話は知っていても日本神話は知らないという答えが返ってきます。我が民族の神話は知らなくても外国の神話は知っているなどと云う逆さま現象は、外国では考えられないことです。
なぜ神話に関するこのような異常な事態が起こっているのでしょうか。戦後の日本は得た物がある半面、大事なものを失っています。戦後の日本はアリカ占領政策の桎梏を取り放し得ないまま来ているのです。消された神話もその一つです。神話というのはその民族の在り方、ものの考え方と密接に繋がっているのに、我が国では国民の意識から抜け落ちているのです。
戦後の日本では、日本の常識は世界の非常識、日本の非常識は世界の常識などと揶揄される事柄があります。消された神話もその一つです。そしてこの非常識は改められるべきものです。
日本の神話は「古事紀」に記されています。折しも、今年は「古事記」が成立してから丁度1,300年に当たります。そこでこのシリーズは「神話はなぜ消されたのか」と題してお送りします。
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