施光恒先生に聞く 脱グローバル化時代の日本の針路~まっとうな国づくりへの回帰

日本再発見・周年篇 第11弾 平成28年11月27日放送

番組の趣旨

今年、この30年くらいにわたる「グローバル化」問題に対する2つの象徴的な出来事が起こりました。6月英国のEUからの離脱が国論を二分して決定し、11月アメリカ大統領選挙でトランプ氏が大方の予想を裏切って選ばれたことです。いずれも民意の反映であり、グローバル化、ボーダーレス化、新自由主義、規制緩和等々何か進歩的なイメージを放ってきた諸政策にストップをかけるものです。生活のいろいろな所で支障が生じてきて、もう耐えられなくなった天声人語というものでしょう。格差は拡大し、移民の急激な増加は住環境を悪化し、余裕なき税金と雇用が奪われる。想像して見てください、この国この土地に歴史と伝統と文化を受け継いで営々と生きてきた人々が、ある日、手の届かぬ所から物のようにとり扱われるとしたら、どんな気持ちになるでしょうか。EU離脱を選んだ英国民とトランプ氏を大統領に選んだ米国民はこんな気持ちにされていたかもしれません。

これは他人ごとではありません。我が国では「公用語の英語化」という大問題が進行中です。これは外国語学習という教育的観点からではなく、経済活動のグローバル化というビジネス的観点からの要請なのです。そして小学校ではもう英語授業がはじまりました。これは授業科目が一つ増えたというような問題ではありません。日本という国家の存立にかかわる大問題なのです。大学の授業が英語で行われ、企業では社内公用語が英語となり、公務員は英語ができなければ採用されなくなるとしたら、「ある日、手の届かぬ所から物のようにとり扱われる不気味な不安の中に投げ込まれる」気分にならないでしょうか。

本日は、英国のEU離脱、トランプ次期大統領の登場を受け、我が国の脱グローバル化問題を九州大学大学院比較社会文化研究院准教授、法学博士の施光恒先生に語っていただきたいと思います。

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