この人に聞く~九州大学大学院教授 施光恒氏

日本再発見・周年篇 第25弾 令和2年6月28日放送

番組の趣旨

「園芸」「ガーデニング」というと、現代の日本人は、イギリスが本場かなと思うかもしれません。さにあらず。実は、日本のほうが本場といっても過言ではないのです。日本人は、古くから花や草木に親しんできました。江戸時代に至ると世界一と言っていいほど園芸文化が栄え、将軍から庶民まで幅広く花を育て愛でていました。むしろ、イギリスなどヨーロッパ諸国のほうが、江戸の園芸文化から大きな影響を受けたというのが実情なのです。

「スタジオ日本 日曜討論」では、昨年9月に九州大学大学院教授の施 光恒(せ・てるひさ)先生をお招きし、「園芸文化と日本人(1)――植物との関わりを手掛かりに社会や政治の理想を考える」というテーマでお話を伺いました。主に江戸の園芸文化の興隆に焦点を当て、なぜ江戸時代、園芸文化が庶民の間で花開いたのか学びました。そこから、日本の大衆文化を育む条件について、また、「クール・ジャパン政策」などの現在の日本の政策のおかしさについて、皆で考えました。

前回の施先生のお話は、幸いなことに非常に好評でした。

今回は、その第二弾です。やはり日本の園芸文化に目をやりながら、日本人の持つ政治や社会の理想について考えていきたいと思います。日本人はどのような政治や社会のあり方を理想だと考えてきたのかについて、植物に関するエピソードを交えながら、見ていきたいと思います。

現代のものですが「桧原桜」(ひばるざくら)のエピソードも紹介していきます。「桧原桜」の話、視聴者の皆さんは聞いたことがあるでしょうか。福岡ではとても良く知られている話なのですが、全国的にはまださほど有名ではないかもしれません。

この現代のエピソードのなかにも、脈々と受け継いできた日本人の美徳が数多く表れています。また、日本人が好む政治や社会のあり方を探るためのヒントも含まれています。

今回のお話を通じて、人と人との調和、自然との調和を重んじる日本人の特性が明らかになるはずです。

日本のことを良く知ることは、今後の日本の針路を考えるうえで非常に重要です。今後の日本の政治や社会をよりよいものにしていくためにもとめられていることとはなにか、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

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