日本人の心をつくる日本語を探る

日本再発見・本篇第107弾 全6回 平成28年9月11日~10月16日放送

番組の趣旨

人類は有史以前から力による支配を繰り返してきました。先の世界的な戦争を経て力による抑え込みと軍事大国のバランスにより、何とか和平を実現したかに見えましたが、近年、大国間の力のアンバランス、諸民族のテロの拡大となり、再び全世界的に和平のバランスが崩れてきています。

このような時代に、神話の時代から数千年に亙り、大きな和をもって、営々と平和な国を築いてきた日本。その日本を育んできた「日本人とは何か」を振り返ることは、日本人としておおいに意義があることではないでしょうか。では、大きな和を実現してきた日本人、その日本人が持つ心情はいったいどこからきているのでしょうか。

日本人は虫の音を愛でる心情を持ち合わせていますが、西洋人には虫の音は雑音としてしか聞こえないそうです。そもそも脳は、左脳と右脳でその機能処理分担をしているということがわかっています。ある研究によると、日本人と西洋人では脳の処理に違いがあると言われています。日本人は左脳での処理が優位で、西欧人は右脳での処理が優位となるそうです。日本人と西欧人の脳処理の違いは脳自体の優劣ではなく、脳に「選別スイッチ機構」があり、自動的にこれらの音を切替える働きをするそうです。その働きには、母語のもつ母音が大きな役割を持ち、日本語はその母音に特徴を持つといわれています。

つまり、日本人独特の心情、情動をつかさどる脳においては、日本人固有の特色があり、それは、日本語によって作られるのです。日本人の場合は、理性的なものと感情的な人間の声すべてと自然界の音とが一緒になったものが、いわゆる「日本人の心」と解釈されています。では、日本人独特の心情、情動を作る日本語は、何からつくられるのでしょうか。

言葉は、そこの土地に住む人間が、その土地の自然環境を感じ取り、音として発音してきたものが、意思疎通の言語として発達したものであることから、日本語は日本の自然環境によりつくられたということができるのではないでしょうか。

このシリーズでは、日本人そのものといえる日本語、ならびにこれに関連する事項について討論し、伝統的な本来の日本人を取り戻すために、現代の日本人が大事にすべきことを、視聴者の皆様と考えていきたいと思います。

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