閉ざされた言語空間~日本の歴史を消したGHQ焚書

日本再発見・本篇第149弾 全6回 令和3年11月14日~12月19日放送

番組の趣旨

紀元前3世紀、秦の始皇帝は「焚書坑儒」という蛮行を行いました。それは儒教の書物を焼き払い、儒者を穴埋めにして殺したという事件です。そして、大東亜戦争終戦後、わが国に進駐したGHQ(アメリカ)は、占領政策として「宣伝用刊行物没収」なる指令で「焚書」を行い、極東軍事裁判で「戦犯」を処刑したのです。

戦勝国が敗戦国の憲法を創ること、新聞・雑誌・放送の検閲は勿論、相手国の歴史を消す事、書物の発禁、禁書など国際法上許されません。相手国の民族、文化を踏みにじる行為は、絶対に許されない蛮行です。なのに「自由と平和」を標榜するアメリカは、それを平然と行なったのです。そして、昭和20年9月から占領期間中の新聞・雑誌・映画・放送内容、一切の刊行物が「検閲」されたのです。

しかしながら、「検閲」と「焚書」は違う次元の行為です。わが国・日本では、昭和3年1月1日から昭和20年9月2日までの間に、約22万点の刊行物が公刊されています。その中から9,288点の単行本を選出し、審査の結果、7,769点を「没収宣伝用刊行物」に指定しました。これが、GHQによる「焚書行為」なのです。本の没収は文明社会が決して行なってはならない「歴史破戒行為」なのですが、GHQはそれを敢えて行なったのです。

アメリカ軍の政治的意図は「被占領国の歴史を消す事」でした。しかし、これだけの行為をGHQと日本政府の行政官だけでは、決して成し得ない作業です。そこには、日本の知識人階級、学者、言論人の協力が不可欠です。

「宣伝刊行物の没収」に関する「覚書」では、「個別の存在する書物」、つまり民間人や図書館の書物は没収対象にしないこと、しかし指定した本は書店、出版社はもとより全ての公共ルートから徹底的に調査し廃棄すること、を宣言しています。ですから、現在、「焚書」の原本の80~90%は国立国会図書館に現存しています。 GHQが図書館の本は没収しなかったのは当然です。つまり「宣伝刊行物の没収の指定は、図書館などの蔵書を基にして行った」のです。

わが国は、戦争には敗れましたが「焚書」される謂れはありません。一国の政治・思想・歴史・文化文明、そして宗教的な生きる源泉を、他民族から裁かれる理由などありません。戦後の日本国憲法は「思想の自由」「出版の自由」を謳っています。それはアメリカに押し付けられたものですが、占領中に大規模にそれらの権利を侵したのはアメリカ自身でした。

今回のシリーズでは『閉ざされた言語空間~日本の歴史を消したGHQ焚書』をテーマに、「焚書」された7,769点の中から数点を取り上げながら、「消されかかった日本の正しい歴史」を甦らせ、GHQ焚書図書とは何だったのかを視聴者の皆様と考えて参りたいと思います。

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