現代における情報戦の戦い方~勝つための情報学

特別篇 第31弾 平成31年3月3日放送

番組の趣旨

歴史を遡れば、戦国時代から江戸・徳川の時代にかけ、わが国では「情報=インテリジェンス(諜報)」が武士の間で用いられ、その伝統は大東亜戦争まで続いていました。孫子を愛読した武田信玄。今川を様々な事前工作と諜報、フェイクニュースで騙し、隘路となっている桶狭間にまんまとおびき寄せた織田信長。その信長の遣り方を側で見ていた秀吉は、中国共産党の諜報機関でさえ舌を巻くほどのフェイクニュースと嘘物語をでっち上げる天才でした。

昔は「情報」と言えば権力者のものでしたが、現代はインターネットの発展で、一般人でも情報の恩恵を受けられる時代になってきました。そして、ニュース報道を装って、虚偽の情報を広めるフェイクニュースが、近年、世界的な社会問題となっています。フェイクニュースで頭が痛いのは、センセーショナルな内容や、大げさな見出し等によって、人目を引いてしまうことです。ほとんどのフェイクニュースはインパクトが強いので正しい情報よりも早くインターネット上で広まってしまいます。

人は退屈なニュースより、面白い記事に目を引かれるものです。一般人が情報を発信しやすいネット社会では、フェイクニュースも一気に広がって行きます。従来の「退屈な」マスメディア以上にシェア数を伸ばしているケースもあります。その結果、世論が誘導され、時に選挙結果を左右したり、実社会に影響をもたらしています。勿論、事実に反するような情報は、昔からたくさんありました。噂話や誤報、デマやプロパガンダが歴史を動かしたこともあります。

それでもネット社会が急速に大きくなった現代の状況は、過去のどの時代とも異なります。情報操作で意図的に情報を流して誰かが得をするように仕組むことをプロパガンダといいますが、フェイクニュースはプロパガンダに近いものがあり、悪用されると国すらも変えてしまう危険性があるのです。

「情報とは、真偽はともかく、その人にとって都合の良い情報が好まれる」と言われています。すでに、わが国もこうした「情報」を取り巻く世界の渦中にありますが、日本人はこれまで「情報」を軽視してきました。情報戦においては、メディアに潜む大衆操作も大きな問題です。様々な意図によって情報が氾濫する社会においては、個人が惑わされたり、騙されたりせずに情報を選び取る能力が重要になってきます。

今回は、特別番組として、作家でジャーナリストの山村明義先生をお招きし、フェイクニュースやデータ偽造、仮想通貨など、生活のあらゆる場面で「情報」が飛び交っている中、「勝つための情報学」についてお話を伺いながら、幅広い視点から「情報」の現状や扱い方、バーチャルとリアルの融合する現代の課題等を視聴者の皆様と考えて参りたいと思います。

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