子供たちに未来はあるのか
日本再発見・本篇第136弾 全6回 令和2年3月1日~4月12日放送
番組の趣旨
平成28年12月21日、文部科学省中央教育審議会から「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について」が答申されました。
学校教育は将来を見通して10年ごとに大きく改編されます。何をどのように変えるのかを検討するために、文部科学大臣が中央教育審議会に諮問し、有識者が議論を重ね、答申をまとめていきます。その答申に基づき、学習指導要領が改編され令和2年(2020)4月1日より、学校では新学習指導要領に従って教育課程が編成され実施されます。
学校は教科書「を」使って勉強するところと思っている人が少なくありませんが、教科書「で」教育を行うところです。教科書は、教育を行う一つの道具でしかありません。大学入試問題が教科書に沿った内容を元に作成されるため、教科の内容に焦点化しがちですが、教育の目的は、子供たちが将来、社会で活躍し、よき人生を創造できるようにすることです。
学校教育は、多くの人が体験したものを伝統芸能のように継承していく「過去志向」ではなく「未来志向」で行われています。平成26年11月に当時の下村博文文部科学大臣の諮問では、冒頭、「今の子供たちやこれから誕生する子供たちが、成人して社会で活躍する頃には、我が国は、厳しい挑戦の時代を迎えていると予想されます。」と述べています。この諮問を受けた答申では、「2030年の社会と子供たちの未来」という章をたて、「インターネットや人工知能による情報技術の飛躍的な進化」と「グローバル化が進展する社会」について記されています。
複雑で予測困難な時代が到来し、そうした変化は、子供たちの職業選択や人生選択に大きく影響することになります。ともすると、不安になってしまいそうな内容ですが、ことさらに、この変化を前向きに受け止め、自信を持って自分の人生を切り拓き、より良い社会を創り出していくような態度を身につけることの大切さを強調しています。
この新しい教育を受けた子供たちが社会に出るのは、早くても5年先以上の話ですが、予想される変化はすでに到来していて、私たちの生活を少しづつ変え始めています。
今回のシリーズでは、どのような背景で、どのように教育が変わろうとしているのか、子供たちと一緒に新しい時代を想像し、これからの時代を生きる上で欠かせない、本当に必要な資質・能力は何なのかを考えてみたいと思います。
子供たちの未来のために教育関係者以外の方々にも是非、中央教育審議会の答申の内容を知っていただきたいと思います。
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