TPPは日本の国益となるのか
日本再発見・本篇第64弾 全6回 平成23年7月3日~8月14日放送
番組の趣旨
「環太平洋連携(いわゆるTPP)」これは昨年10月1日、菅首相の所信表明演説で初めて国民の耳に飛び込んだ言葉です。しかし、農業への壊滅的打撃が予想されることから、自民党、農業団体からは反対の声が上がっただけではなく、民主党内からも異論が出、また閣内からも農水大臣、経産大臣が慎重論を唱えるなど首相の突出ぶりが浮き彫りとなりました。
その後11月に横浜で開催されたAPECで議長国として菅首相は、TPPやFTAなど自由化の旗を振る役回りを演じ、さらに年明けの1月にはダボス会議で菅首相は、「開国」という言葉を10回以上繰り返し、TPP参加への意欲を印象づけました。そして3月11日の東日本大震災を経て、本来なら6月にTPPへの参加、不参加を決めるとしていた決定を先送りしました。
首相が指導力を発揮して政策を決め推進することはあって然るべきことですが、今回のTPPに関しては国内の反対が少なくない中、きちんとした議論や情報提供がなされないまま、菅首相の思いつきで前のめりに突っ走る姿が鮮明になりました。
TPPは我が国の国の在り方を大きく変える可能性のある問題であり結論は急ぐべきではなく、国民的議論を経て決定すべきことです。「第三の開国」「平成の開国」「世界の潮流に取り残される」などの言葉に惑わされることなく、我が国の国益を第一に念頭に置いて議論を深めて決定すべき課題です。
そこで今回のシリーズは「TPPは日本の国益か」と題して議論します。
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