領土とは何か~国防の要・島嶼を守る

日本再発見・本篇第139弾 全6回 令和2年9月13日~10月18日放送

番組の趣旨

尖閣諸島を巡る問題が火を噴き、日中間の雲行きがおかしくなっています。しかし、いくら考えてもこの問題を巡る中国側の対応や日本側の反応には理解出来ないことが多すぎます。日・中両国ともに、「尖閣諸島を巡り領土問題は存在しない」と言っていますが、こんな不可解なことがあっていいのでしょうか。島の帰属の問題は置くとしても、中国の対応は、他を顧みず「力づくのごり押し」でしかないのは明らかです。

しかし、この問題に限らず、わが国には、未解決の領土問題が存在します。ロシアとは、歯舞・色丹・国後・択捉の北方領土問題があり、韓国との間では竹島問題、そして尖閣諸島問題です。さらに尖閣諸島をめぐっては、台湾までが領有を主張していることです。

これらの領土問題のすべては理不尽極まりなく、日本政府の対応は、いじめられっ子が泣き寝入りをしている状態でしかないのは、まったく情けない限りです。何より不甲斐ないと感じるのは、政府の対応もさることながら、日本国民が実に能天気な受け止め方をしていることです。

現在、太平洋上に存在する沖ノ鳥島をめぐって、領有権の主張ではないにしても中国が、「あれは島ではなく、岩である」と主張し、日本が主張する排他的経済水域に妥当性はないと発言している事実があります。問題は、なぜこんなに小さな島が国際問題になるのか、さらには大陸棚とはいかなるもので、その権益とは何かなどについて、私たちは改めて勉強する必要があるということです。

しかし、その前に考えなければならないことがあります。それは、国家とは何か、領土とは何かについての基本的認識が必要であるということです。

わが国・日本は周囲をすべて海に囲まれているため、陸地である領土を侵犯されたことがありません。従って、わが国が抱えている領土問題のすべてが「海がらみ」なのです。国際法上では「固有の領土」という定義はありません。ですから、領土と称されるものは隣接国の力関係によって度々変動した歴史をもっています。基本的には、領土とは、「人間が住み」「主権が行使され」「統治権が存在」している地域を指すのです。よって、海上の孤島の場合は悩ましい問題が持ち上がる可能性があるのです。無人島については、「先占」が重視され、他国が領有を主張していないこと、すなわち、「先占」を前提に領有を主張する国がないことが重要になります。

わが国政府は、国境や領土問題に関心が薄く、教育の場においても国家観においてはもとより、国旗・国歌についてさえも未だに腫れ物に触るが如き対応を繰り返しています。これでは到底、韓国、中国、ロシアに対抗できる国内世論は醸成されません。他国は、政府が国民をけしかけて領土権の既成事実化を図っているのに、わが国は外交交渉の場でもアリバイづくりのような発言を繰り返すばかりなのです。

そこで、今回のシリーズでは「領土とは何か~国防の要・島嶼を守る」というテーマで、領土とは何か、島国・日本の小さな島々を守ることの重要性について、視聴者の皆様と共に考えて参りたいと思います。

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