日本再建は歴史の智恵に学んで

日本再発見・本篇第69弾 全6回 平成24年2月19日~3月25日放送

番組の趣旨

 現在我が国は大変革を迫られています。幕末明治維新、敗戦に続く第三の大改革です。明治維新、戦後復興は成功した為に、その困難さがともすれば忘れられがちですが、当時の状況をみると想像を絶する難事業でした。

 幕末明治の頃、世界では、圧倒的な科学技術力を持った欧米諸国のアジアアフリカ植民地化政策の真っ最中でしたが、幕末明治の志士達は万世一系の我が国柄を、日本大改革の中心に据えて、日本の独立を守り、近代国家日本を作るという偉業を達成しました。

 江戸時代に各藩で培われた教育と武士道が決定的な役割を果たし、世紀の大事業を見事に成功させました。

 明治初年に欧米諸国を歴訪した我が国の視察団は、欧米と日本の差は40年と見積もりましたが、日露戦争に勝利したのは明治38年ですから或る意味その先見性は驚くべきものがあります。

 幕末明治の指導者達にとって、日本の歴史の理解は、日本をどういう国にしていくのかを決める上で極めて大きな意味を持ちました。後に首相となる伊藤博文公は1863年のイギリス留学の際、頼山陽の書いた歴史書『日本政記』を携えていたといいます。彼にとって近代国家日本を造る時に、日本とは何か、を考える上で歴史理解は不可欠でした。

 大東亜戦争に敗れて日本は焼け野原となりましたが、20年で見事に復興を遂げました。その主役は明治大正生まれの人達でしたが、戦前に教育を受けた彼等は、幕末明治維新を成し遂げた先人たちと歴史認識を共有していました。

 今我々が直面している困難な国家の課題を解決していくためには、我が国の歴史は豊かな材料を提供してくれています。愚者は経験に学び賢者は歴史に学ぶとも云います。

 そこで今回のシリーズでは「日本再建は歴史の智恵に学んで」と題して議論して参ります。

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